こんにちは。
雪の少ない今年の河合ですが、私はやっとのことでワイパーを冬用にしました。
なんて快適なの!というか夏用ワイパーは完全に寿命だったような気がします。捨てよう。
さて、河合では、原料から100%河合産の和紙づくりが柏木さん、清水さんの2軒の家で作られています。
その制作の過程をお伝えしています。前回は、楮の皮を剥いて干すところまで紹介しました。
(前回の記事はhttp://p.tl/bAQE)
「束ね返し」をしてまんべんなく干した皮には、黒皮と呼ばれる茶色い表皮がついていて、これを取る必要があります。
しばらく流水に浸したあと、一本一本黒皮をこそげ落としていきます。この工程を「楮たくり」といいます。
柏木さんは、家で夜なべしてたくられるそう。清水さんは、紙すきに専念するため、2人の方に楮たくりをお願いします。
楮たくりを受けているSさんの作業場
もうおひとり、Hさんの作業風景。それぞれやりやすいように工夫されています。
そして剥いだものを再び束にし、雪に2週間ほどさらして漂白を行います。
下の写真の真ん中が1週間ほどさらしたもの、両側の列はまだ日の浅いものです。
(この日は工房すなか主催の和紙のワークショップがあり、楮たくりや雪ざらしを体験させていただきました。)
雪の表面に発生するオゾンの力で、酸化漂白されるのだそうです。
よーくさらすと、こんな風に美しい白になります。
うーん、驚く白さ。私のあの洋服のしみもおちるかしら。
このように楮の凍みを解かして、再び干して乾かします。
そして、紙を漉く直前に、またこの楮を煮ます。
その次は、「ちりより」です。
汚れのないきれいな紙を漉くためには、大事な作業で、水につけながらくっついている黒皮のかけらや黒ずみを取り去ります。
こんな状態。右はじのはみ出しているかたまりが「ちり」のよったもの。
ちりよりができたら、ぎゅーっと絞って、機械でたたきます。そして、水で柔らかくして、やっと紙すきの舟へと投入されるのです。
一方!
和紙をつくるのに欠かせない脇役が”ネレ”といわれるつなぎの糊。
この原料は、トロロアオイという植物。
これ。実はこの花弁、ハナオクラという名前でスーパーに並ぶ野菜(?)。
確かに食べてみたらおいしかったです。
ネレとして使うのは根の部分なので、花や芽は摘んでしまいます。
秋に収穫した根は、クレゾールという薬品に漬けて、腐らないように保存しておきます。
ネレを使うときは、かけやで砕いて、水に浸してのりとなります。
これだけの手間がかかって、やっと花形、紙すきができるのです。
ジャッキで押して十分に水を切ったら、乾燥して完成です。
2軒とも、金属板の中にお湯を通して乾かす方法をとっています。
(若き日のわたし(笑))
うーん、やっぱり気の遠くなるような工程をふんで紙ができています。
このうち、清水さんの方は、後継者がいまのところいない状態ですが、本人も、周りも、素晴らしい技術を残していきたいと思っています。
今度はそのへんのところをお伝えしたいと思います。