河合通信第17号

こんにちは。

外は大荒れ、ぼっぼと雪が降っています。

IMG_6128

これは昨日の様子。

昨日は落ち着いていたので、みなさん雪おろしに励んでみえました。

そして、雪かきには付きものの、事故も発生してしまいました><

また、先週末、その前の週末と、夜帰るのが遅かったら、家までの1kmほど、

積雪が車のヘッドライト近くまであって、轍がない!という状況に。アップアップ泳ぐようになんとか帰りつきました。

雪の時期は歩きでも車でも作業でも、怖いですね。

でも、家の裏で存分に雪遊びをする子どもを見ると嬉しくなりますね。

そんなわけで、河合通信も雪景色っぽく2色で書いてみました。

第17号p1

第17号p2

第17号p3

第17号p4

楮、読めましたか?コウゾ、です。

山中和紙ができるまで2

こんにちは。
雪の少ない今年の河合ですが、私はやっとのことでワイパーを冬用にしました。

なんて快適なの!というか夏用ワイパーは完全に寿命だったような気がします。捨てよう。

さて、河合では、原料から100%河合産の和紙づくりが柏木さん、清水さんの2軒の家で作られています。
その制作の過程をお伝えしています。前回は、楮の皮を剥いて干すところまで紹介しました。

(前回の記事はhttp://p.tl/bAQE)

「束ね返し」をしてまんべんなく干した皮には、黒皮と呼ばれる茶色い表皮がついていて、これを取る必要があります。

しばらく流水に浸したあと、一本一本黒皮をこそげ落としていきます。この工程を「楮たくり」といいます。

柏木さんは、家で夜なべしてたくられるそう。清水さんは、紙すきに専念するため、2人の方に楮たくりをお願いします。

IMG_1702

 

楮たくりを受けているSさんの作業場

IMG_2018

 

もうおひとり、Hさんの作業風景。それぞれやりやすいように工夫されています。

そして剥いだものを再び束にし、雪に2週間ほどさらして漂白を行います。
下の写真の真ん中が1週間ほどさらしたもの、両側の列はまだ日の浅いものです。

IMG_1824

 

(この日は工房すなか主催の和紙のワークショップがあり、楮たくりや雪ざらしを体験させていただきました。)

IMG_1699

 

雪の表面に発生するオゾンの力で、酸化漂白されるのだそうです。

よーくさらすと、こんな風に美しい白になります。

IMG_1820

 

うーん、驚く白さ。私のあの洋服のしみもおちるかしら。

このように楮の凍みを解かして、再び干して乾かします。

そして、紙を漉く直前に、またこの楮を煮ます。
その次は、「ちりより」です。
汚れのないきれいな紙を漉くためには、大事な作業で、水につけながらくっついている黒皮のかけらや黒ずみを取り去ります。

IMG_2054

 

こんな状態。右はじのはみ出しているかたまりが「ちり」のよったもの。

ちりよりができたら、ぎゅーっと絞って、機械でたたきます。そして、水で柔らかくして、やっと紙すきの舟へと投入されるのです。

IMG_1821

 

 

一方!

和紙をつくるのに欠かせない脇役が”ネレ”といわれるつなぎの糊。

この原料は、トロロアオイという植物。

201309 060

 

これ。実はこの花弁、ハナオクラという名前でスーパーに並ぶ野菜(?)。
確かに食べてみたらおいしかったです。
ネレとして使うのは根の部分なので、花や芽は摘んでしまいます。

秋に収穫した根は、クレゾールという薬品に漬けて、腐らないように保存しておきます。

ネレを使うときは、かけやで砕いて、水に浸してのりとなります。

IMG_1829

画像 531

 

 

これだけの手間がかかって、やっと花形、紙すきができるのです。

画像 1690

 

 

IMG_1836

 

IMG_1839

ジャッキで押して十分に水を切ったら、乾燥して完成です。

2軒とも、金属板の中にお湯を通して乾かす方法をとっています。

画像 575

 

(若き日のわたし(笑))

 

うーん、やっぱり気の遠くなるような工程をふんで紙ができています。
このうち、清水さんの方は、後継者がいまのところいない状態ですが、本人も、周りも、素晴らしい技術を残していきたいと思っています。
今度はそのへんのところをお伝えしたいと思います。

 

 

 

和紙の季節 到来!!

こんにちは。

今日は晴れたり、雨が降りそうになったり、のお天気でした。

冷たい風の匂い、また空の光りの具合も、冬らしくなってきましたよ。

週間天気予報に雪だるまが登場したので、タイヤを変えなきゃですね!

画像

11月に入って、本格的な和紙作りの季節が始まりました。

もともと、冬の仕事だった和紙作り。

通年すいてみえる柏木さんも、冬しかすかない清水さんも、和紙の原料となる楮(コウゾ)の収穫・処理をされました。

画像

半年で背丈より伸びた楮をハサミでジャッキジャッキ刈って運びます。

画像

それをこんな風に束にして同じ長さに切りそろえ、

画像

おっきな釜で「うむし」ます。

画像

2時間半ほどうむして柔らかくなったところで、皮をはいでいきます。

清水さんのところでは、清水さんが加治屋さんで特注して作ってもらった器具を使います。

画像

束にして、、

こんな風に干します。

画像

皮をむいた後の楮ガラは、一年干して焚きつけにしたり、古川まつりの提灯の柄になったりしています。

何かに使いたい、という方は、わけてもらえるかも知れません。

以上、山中和紙の出来るまで その1 でした。さて、これからどうなるのか?次回をお楽しみに。

山中和紙と仲間たち

こんにちは、日頃のことももっとたくさん更新したいのだけど、なかなかどうして家のこともままならないかわべです。すがすがしい部屋で泥のように眠りたい!

さてさて、この間の日曜日、

「山中和紙ワークショップ プレイベント」が開催されました!

山中和紙ワークショッププレイベントご案内2013.jpeg

企画者のカメちゃんこと吉眞さんは、河合に移り住んで早10年の大先輩。

「自然との共生を目指し飛騨の山暮らしを楽しむファミリー」なのです。

河合で生産される「山中和紙」は、雪ざらしという独特の手法で漂白をします。

漂白の際に薬品を使ったものより丈夫なのと、使うほどに白くなるのだそうです。

そして、山中和紙は原料の楮とトロロアオイは河合で作られているという、純河合産。

そんな山中和紙、昔は多くの家で作っておられましたが、今や2軒が残るのみ。

2軒とも高齢化しており、後継者は…微妙なところ。

魅力あふれる山中和紙、河合を知ってもらいたい、また少しでも次へとつながる力になれば、ということで、ワークショップを行ってみえます。

当日は、遠方は鏡原市や長野県茅野町から10名ほどの方が集まり、午前中は楮を「すぐる」(選りすぐるのすぐる?)作業、午後は紙すきと和紙をつかった絵手紙制作を体験しました。

トロロアオイ

夏になるとオクラのような花を咲かせるトロロアオイの赤ちゃん。根を煮だした汁がつなぎの役割を果たします。

楮畑
楮畑と生産者の清水さん。集落の奥の山にこんな開けた風景があるなんて!

柏木さん

脱水をかける生産者・柏木さん。ハイテク~。

写真には写っていませんが、みんな和気あいあいとお話しながらすぐったり、絵手紙を描いてそれぞれに感心したり、楽しい時間を過ごすことができました。

個人的には、清水さんにお会いする機会を得たり、河合や伝統技術、手仕事に興味がある方々とつながることができて、うれしかったです^^

和紙のワークショップは、今年あと4回開催されます。ご興味があれば、下のフライヤーをご覧になって、ぜひ問い合わせてみてください。

ワークショップ案内

ワークショップ案内 裏

また、「いなか工芸館」(ローズガーデン向かい)では、紙すき体験が500円でできます(要予約)。

ただ紙をすくだけではなく、原料のことや河合での紙すきの歴史など、なんとも味のあるかわいいおばあちゃんが、なんでも丁寧に教えてくださるので、河合にお越しの際は、ぜひ寄ってみてほしいスポットです!

http://www.kankou-gifu.jp/spot/3297/